「大野智は好きですか?」
貴方は、いつの時点で大野智の存在を知りましたか?
なんとなく、だけど。 3〜5に関しては流れでいってるところがある。4の時代なんか極端に短いし。あれよあれよという間に5が来てしまった感じだから、3の時点から知ったということであれば、5までの間にそんなに抵抗はないのかなぁと思われるわけである。……っつーことで。問題になるのはは1と2なわけで。この1と2と3〜5の間には、長くて深いミゾがある(笑) 特に2。KTK時代の大野智をお腹いっぱい見てしまった層にとっては、はっきり言って今の大野智に満足できるものではない。それは絶対そうだ。断言してしまうが、絶対にそうだと思う。4の旧MAに愛着を抱いている場合も多少そうかもしれない。雑誌で女装してるヒマがあったらプレゾンに出て欲しいという思いがあったとしても、それは自然な感情ってもんである。 見たいものは。A・RA・SHIの踊りじゃなくて、大野智の踊りなのである。それなのに、嵐なんてものに入ったばっかりに大野智は大野智の踊りをしなくなった。否、させてもらえなくなってしまったのだ……、と。そんなふうに考えるのは多分自然の摂理ってもんで、そうなってくると嵐とゆーのは相当悪者である(笑) そう、KTKの大野智、MAの大野智を愛する層にとっては、嵐というのは晴天の霹靂であり、決して歓迎できるものではなかったと思うのだ。だって。 ……デビューしたら。もう両手を離して踊る機会は激減してしまうのだから。 では。そういう周りの感情の最中、デビューした当の大野智は一体何を考えていたかというと。それは一言「不安」だった、と言ったのですね。「不安」だった、と。 私は智が不安だったなんて全然知らなかった。デビューというものに関して不安だったというのはわかるけど、でも、「自分だけ遅れている」という思考で「不安」になっていたとは、そんなこと全然気がつかなかった。そんなふうに思っていたなんて。……そして、そんなふうにきちんと他の4人を評価していたなんて。そんなこと、全然知らなかったから。 大野智とは、そういう色んな周りの感情というものを飛び越えたところにいるんじゃないだろうか。いつも、いつでも。がやがやとうるさい周りの声や、移りが激しい周りの景色の中で、多分当の智だけが変わらずにその場所にいたんじゃないだろうか。 智がやさしいのだとしたら、多分きっとそういうところが「やさしい」のだ。 彼は周りを責めない。彼は周りのせいにしない。彼は何かのせいにしない。周りじゃなくて、「自分」が「不安」なのだ、と。そんなふうに言うのだ。 そしてそんな不安を抱えたまま春に『COOL』を演って。そして、ようやく、ほっとした、と。そんなふうに言うのだ。 私が『COOL』を初めて見たのは、98年夏のKTKだった。その時のメモ書きをそのまま抜粋してみる。
……もっと、いろんな人に見てもらえた。智のCOOLを、見てもらえた。ビデオにまで残った。これは、デビューということがなければ、絶対に起こりえなかったことなんだ。 私は1の大野智が好きだ。愛ラブJr.で多少やる気なさげに様々なロケものに繰り出していく姿も好きだし、SMAPの『胸騒ぎを頼むよ』のバックでオーバーオールを着てほてほて踊っているのは絶叫モノのラブリーさ加減だし、Kinkiの『Kissから始まるミステリー』のバックについてるやつなどはもう今の智の原形が出来ていて何度見てもあきない。 私は2の大野智が好きだ。COOLは勿論のこと、その他の何もかもが、あのKTKを構成していた何もかもが、ひとつ残らず全部好きだし、全部大事だ。絶対忘れたくないもののひとつだ。 私は3の大野智が好きだ。自分の出番は終わったのに京都から帰ってこなくて、何をしてるねーん!と思っていたらいきなり光一MASKに出現して、これが絶叫モノのおステキさで。5月になったらモーモーつなぎを着てJr.コンでソロとか歌っちゃってたりして、一体この人はこれからどうしていくのだろうと強烈に不安になりつつも姿が見られることが嬉しかった。 私は4の大野智が好きだ。4人編成のダンスユニットに入って、少年隊のバックについたり、夜もヒッパレに出たりして、いろんな踊りを見れたこの時期の仕事の数々が好きだ。 そして。 私は5の大野智が好きだ。嵐になって、デビューして、戸惑いつつも「嵐」になっていくその過程が好きだ。嵐の中で安心してしゃべっている感じの、その雰囲気が好きだ。嵐として行うコンサートで見る、そのいつもと全然変わらない感じの智の空気が大好きだ。 智はいつでも、そこにいるのだ。 周りがどんなに変わったとしても、自分の環境がどんなふうに変化したとしても。彼は周りを責めない。彼は周りのせいにしない。彼は何かのせいにはしない。 いつでも、どこでも、変わらずに。大野智はそこにいるのだ。 そこに、いて、くれるのだ。 ……実際問題として。 大野智のミレニアムハタチのその時を、まさかこの目で見られるとはちょっと予想してなかった。なんかフシギだ。智さんが、ハタチになってしまうなんて。初めて見た時は、本当にコドモだったのになぁ。 ハタチになるその瞬間にも。 そこにいてくれて、ありがとう。 そして最後に、拝啓・大野智様。「お誕生日おめでとう!」 |